1.国家的施策1.国家的施策
2.地方自治体や公共団体での施策
3.PAFCの事業展開
4.MCFCの事業展開
5.SOFCの研究開発
6.PEFCの要素技術開発
7.定置式PEFCシステムの実証と準商用機製作
8.FCV最前線
9.FCV用水素ステーションの建設
10.水素生成および改質技術の開発と事業展開
11.水素貯蔵技術の開発
12.水素関連事業の展開
13.マイクロFC(MFC)およびDMFCの開発
14.FC関連計測技器の事業
・A POSTER COLUMN
(1)総合科学技術会議2.地方自治体や公共団体での施策
政府の総合科学技術会議は、各省庁が連携してナノテクノロジーの研究開発に取り組む”府省連携プロジェクト”の新規テーマとしてFCを取り上げる方針を固めた。カーボンナノチューブを利用した電極が注目されている。
(日経産業新聞04年5月17日)
総合科学技術会議は、5月26日、2005年度の科学技術に関する予算、人材などの資源配分の方針を決定した。エネルギー分野では、セキューリテイー確保と地球温暖化防止の観点を重視、エネルギーシステムを高度化するため、核燃料サイクルをはじめ、水素利用、FC、バイオマス利活用、核融合などの研究開発を重点的に推進する。
(電気新聞04年5月27日)
(2)経済産業省
中川昭一経済産業相が経済財政諮問会議で報告する新産業創造戦略の全容が明らかになった。FC、情報家電、ロボットなど7分野について、政策を総動員して支援し、現在200兆円強の市場規模を2010年に300兆円に育て上げる。この内FCは現状のほぼ0から1兆円にする。
(読売、日本経済新聞04年5月17日、毎日、日刊工業新聞5月18日、電気、日刊自動車新聞5月19日)
経済産業省原子力安全・保安院は、FCVの導入に向けた技術基準の見直しを、高圧ガス保安協会において検討することにした。(
化学工業日報04年5月26日)
産業構造審議会と総合資源エネルギー調査会による“エネルギー・環境合同会議”は5月24日、FCなど水素エネルギー社会の実現に必要な技術開発を官民をあげて取り組む必要があると提言した。
(日刊工業新聞04年5月25日)
(3)NEDO
04年度にFC開発で329億円を予算化しているNEDOは、同年度で開発テーマがほとんど終了するため、05年度以降の本格的な商用化に向けた技術開発スキームをFC・水素技術員会を設けて纏めた。企業が息切れせずに技術開発を継続していけるよう、NEDOと産学が共有化できる技術マップを作成し、技術レベルの認識を共有化することを指向する。
(日刊工業新聞04年5月18日)
(1)秋田県3.PAFCの事業展開
秋田県は、風力発電や太陽発電、バイオマス、FCなど新エネルギーを積極的に活用するため、04年度に導入可能性調査を実施する。商業や農業施設、公共施設などを対象に複数の新エネルギーを導入、ベストミックスのあり方や経済性、導入効果などを検証する。
(日刊建設工業新聞04年5月7日)
(2)大阪府立産業技術総合研究所
大阪府立産業技術総合研究所は、FC関連技術開発プロジェクトを立ち上げる。FC製造関連分野の調査・技術開発を進め、中小企業が参入するための技術移転や支援、助言ができるようにする。研究テーマはパソコンや携帯電話のみならずロボットの動力源としての利用も含めた“携帯機器用マイクロFC”および“FCシステム部品開発の支援研究”で、05年には産技研による開発技術の企業への移転を具体化させる予定である。産技研は半導体の試作・評価などを行う“マイクロデバイス開発支援センター”を持ち、同研究所が持つ技術としては、薄膜、触媒、メッキ、シリコン微細加工など広い範囲に亘っている。
(日刊工業新聞04年5月10日)
(3)山口県
山口県と周南市は「周南市地球温暖化防止まちづくり計画」の認定を申請した。太陽光発電や小型風力発電、FC、木質バイオマス導入で、年間22,000トンのCO2排出量を削減する。
(中国新聞04年5月14日)
東京ガスは5月17日、FCV向け水素供給機能を備えたFCコージェネレーションシステムの開発に着手したと発表した。1部の水素を精製装置に送り込み高純度の水素を製造する。FCには富士電機システムズ製出力100kWPAFCを使う。水素供給をしない場合にはコージェネとして稼動するため、効率的な設備運用が可能で早期の投資回収が見込めると述べている。既存のガソリンスタンドやバス車庫、ごみ集積場、高速道路サービスエリアなどへの導入が期待される。4.MCFCの事業展開
(電気、日経産業新聞04年5月18日、化学工業日報、フジサンケイビジネスアイ5月19日、電波新聞5月22日)
MCFCに関しては世界でFCEとIHIが実用化ステージにある。5.SOFCの研究開発
FCEと日本での販売契約を結んでいる丸紅は、これまでFCE製出力250kW機5台を納入した。1号機はキリンビール取手工場、2号機は福岡市での下水消化ガス発電、セイコーエプソンに天然ガス改質型を2台で、更に京都と東京の食品廃棄物ガス化発電として導入する計画がある。これ以外にFCEはアメリカでは16台を納入、ドイツではMTUが8台を販売している。FCEは250kW機をベースに、1,000kW級および2,000kW級MCFCプラントを事業化し、1号機をワシントン州の下水処理場で完成、5月中には運転を始める予定であり、又2,000kW級については、石炭ガス化設備との組み合わせたプランを建設中である。丸紅は今後消化ガスでの発電効率が47%に達すること、および寿命が5年でスタック交換はPAFCの半分から1/3の費用ですむなどの優位性を踏まえて、1,500kWや2,000kWについても営業活動に入る計画で、このため同事業を別会社化することにした。
他方IHIは愛知万博で中部電力とトヨタが導入する300kWMCFCを製造、既に実証運転を行っている。中部電力向けは生ごみを低温メタン発酵型であるが、トヨタ向けは木質廃棄物と廃プラをガス化した燃料を使い、かつマイクロガスタービンとの複合運転を行うことにしている。万博での実証に成功すれば、IHIはMCFCについて商用化ステージに入る。
(日刊工業新聞04年5月3日)
(1)電力中研6.PEFCの要素技術開発
電力中央研究所は、接続部材にも金属製品を使うことなく、セラミックを全面的に使用したSOFCの開発に目途をつけたと発表した。耐久性を向上させて、動作温度は1000℃で連続運転時間を2,000時間に延長するとともに、出力密度では1W/cm2を実現した。従来セラミックス同士の接続では化学反応による劣化が生じ、又金属など種類の異なる材料を接続すると、熱による伸縮率の差により亀裂が生じて水素や空気のリークが起こる懸念があった。同研究所はこの化学変化を抑えるために、カルシウム系の無機酸化物を添加、水溶液中で泥状に溶かして電極表面に厚さ10μmの均一なセラミックス膜を形成した後、発電部品同士を接続することによって従来の課題を解決、耐久性を高めることに成功した。家庭用や自動車用など、PEFCの分野での応用を見込んでいる。
(日経産業新聞04年4月26日)
(2)京セラ
京セラは送電端効率40%(HHV)の性能を持つ1kW級家庭用SOFCシステムを04年10月までに完成、長期耐久テストを開始するとともに、05年度中にはエネルギー企業と組んで準商用機としてモニター販売に乗り出すことにした。業務用SOFCは東京ガスなどと5kW機で07年度での実用化に向けた開発を始めているが、家庭用については当面コスト120万円での実用化を目標に、システムを組み上げて耐久試験を行うが、更にコストダウンを進めて普及時には60万円/kWの実現を目指す。試験では発電効率を落とさないで負荷変動追随速度を保つことができるかどうか、部分負荷効率、起動・停止の維持に必要な措置、システムの運転コストなどを評価する予定である。なお同社は780℃の作動温度で、セル発電効率50.3%(HHV)・54%(LHV)を実証済みである。
(日刊工業新聞04年5月11日)
(3)東邦ガス
東邦ガスは、04年内を目途に、日本触媒と開発したSOFCの単セルを量産化する。電解質の材料には高い靭性と導電性が両立するスカンジア安定化ジルコニアを採用し、割れ易さの課題を解決するとともに発電性能と耐久性を高めた。なおこの種のFCは白金を使用しないので低コストと大量生産ができる点に特徴がある。電解質は一般的なセラミックス焼成と同様に、粉末原料にバインダーを混ぜてシート状に成形し、焼成する方法なので製造コストは安い。東邦ガスが電解質などの材料開発、日本触媒が量産化についてのノウハウをそれぞれ持ち寄り、SOFC単セルを製造・販売する。
(日刊工業新聞04年5月11日)
宮崎大学工学部の木島教授らは、金属やフェノール樹脂を用いて外径10nm以下のナノチューブを作製するする技術を開発した。作製したナノチューブをPEFCの電極や電解質に用いて、FCの性能を向上することができると期待している。界面活性剤を用いた点に特徴があり、塩化白金酸の水溶液に2種類の界面活性剤を加えて液晶状態にし、これを還元することによって、外径6nm、内径3nm、長さが数十から数百nmの白金ナノチューブが得られた。7.定置式PEFCシステムの実証と準商用機製作
(日経産業新聞04年5月3日)
(1)荏原製作所8.FCV最前線
荏原製作所は、5月23日に家庭用1kWPEFCコージェネレーションシステムで、量産をにらんだ準商用機を開発したと発表した。熱回収効率は58%、送電端発電効率は35%(LHV)と発表している。特に家庭での使用条件を考慮して低出力運転時での発電効率を向上(50%負荷運転で33%)させた。実証試験を通じてコストや耐久性の問題を改善し、04年内での商用化を目指す。NEFに5台を始め全部で17台を納入した。
(日本経済新聞04年4月24日、日経産業、日刊工業新聞、化学工業日報4月26日、電気新聞4月27日)
(2)新日本石油と荏原バラード
新日本石油は4月27日、荏原バラードと共同開発した灯油改質型家庭用1kWPEFCシステムの実証実験を、横浜製油所で開始したと発表した。1年間程度実証運転して06年度中での商用機の販売を目指す。新日本石油の脱硫触媒、灯油改質技術、荏原バラードのPEFCシステム技術、荏原製作所の製造技術を組み合わせた成果で、システム全体の大きさは270Lと小型となり、性能では送電端発電効率33%(LHV)を達成、目標である36%(LHV)についても目途が得られたとしている。
(日経産業、日刊工業新聞、化学工業日報、フジサンケイビジネスアイ04年4月28日、電気、建設通信新聞4月30日、日刊建設工業新聞5月12日)
(3)三洋電機
三洋電機は5月7日、定格10kW未満のPEFCシステムを商品化し、08年度までに量産体制を整え、その後本格的に売り出すと発表した。一般家庭やコンビニ、食堂などに販売、更にノートパソコン用電源としてのFC開発も検討している。先ず商品化するのは750Wシステムで価格は数百万円、発電効率は35%、耐用年数は数千時間の製品を商用化したいとしている。10年度には45万円、発電効率38%以上、耐用年数4万時間の実現を想定している。
(電波新聞04年5月8日、毎日、日経産業新聞5月10日、電気新聞5月11日)
(4)DESSコンソシアム
日本総合研究所が出光興産、荏原、松下電器産業など33社の協力を得てスタートしたDESSコンソシアムは、家庭用FCのネットワークビジネスを目指してプロジェクトを立ち上げる。メンバー間で使用できる制御を中心とした100件以上の特許プールを構築、05年にはマンションなどでFC数十台を設置した場合の制御技術の検証と市場調査に入り、システムの普及に向けたビジネスモデルを具体化する計画である。同コンソシアムは出力1kW級のFCを組み合わせて、系統に頼らない分散システムの開発を目指しており、04年度にはモデルの構築を行う計画を持っている。
(日刊工業新聞04年5月10日)
(5)東京ガス
東京ガスは5月10日、南千住テクノステーションで出力1kWPEFCを設置したモデル住宅を公開した。ハウスメーカなどへの営業活動に使う。
(日経産業、日刊工業新聞04年5月11日、東京新聞5月18日)
(6)伊藤忠商事および日立造船等
伊藤忠商事、日立造船、およびカナダのハイドロジェニックスは、04年7月から三重県四日市で、太陽光発電で水を分解、発生した水素でPEFCを運転するコンバインドシステムの実証試験を行う。実験は四日市の公共施設に設置されている太陽光発電を利用、PEFCはハイドロジェニックス社製出力10kW "HyPM10" で、同社は技術者1人を常駐させる。四日市市は特区の事業として複数年に亘って補助金を交付する。
(電気新聞04年5月18日、日刊工業新聞5月21日)
アメリカDOEは、国家プロジェクトとして取り組んでいる水素エネルギー研究開発計画に参加する100以上の企業、大学、国立研究所を選定、日本からは水素FCV開発でトヨタ、日産、ホンダのアメリカ現地法人が参加する。アメリカ政府はこの研究開発計画に当面3億5,000万ドルを支出、最終的には12億ドルに達する見通しである。安全で経済的な水素ガス貯蔵システム、水素FCVシステム、高性能で経済的なFCシステムなどの開発が重点項目として挙げられている。9.FCV用水素ステーションの建設
(日本経済新聞04年4月29日)
(1)出光興産10.水素生成および改質技術の開発と事業展開
出光興産の、市販灯油を原燃料とする“JHFC秦野水素ステーション”が完成、実証運転を開始した。供給能力は50Nm3/hで水素ガスの貯蔵圧力は40MPa、純度は99.99%以上、デイスペンサーで25/35MPaの水素を充填できる。
(化学工業日報04年5月7日、読売新聞5月9日)
(2)神鋼環境ソリューション
神鋼環境ソリューションは、固体高分子膜を使った水電解水素製造装置の新規需要を開拓する。製品は“水電解式高純度水素酸素発生装置(HHOG)”で、このほど鹿児島大学などの研究グループが屋久島電工工場敷地内に設置した水素ステーション向けに、昭和電工を通じて納入した。水素製造能力は1.25m3/hで、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーで水素を製造するなどの研究開発向け需要も狙っている。
(日経産業新聞04年5月11日、日刊工業新聞、化学工業日報5月14日、フジサンケイビジネスアイ5月15日)
(3)栗田工業等
栗田工業、シナネン、伊藤忠エネクスの3社が共同で建設していた“JHFC相模原水素ステーション”が完成、5月26日に開所した。25トントラックにアルカリ水電解装置と整流器、圧縮機などを搭載した移動型で、水道水と電力から水素ガスを生成、各水素ステーションを巡回して水素ガスを供給できる。設置面積の省スペース化と初期設備投資の抑制などのメリットを生かし、3社は水素供給の全国展開を図ることを意図している。
(日経産業新聞04年5月27日、化学工業日報5月28日)
(1)大阪ガス11.水素貯蔵技術の開発
大阪ガスは、1kW家庭用PEFC用のLPG改質装置を開発し、FCメーカにサンプル販売すると発表した。価格は400万円で既に十数社から引き合いがある。LPG用にこれまで脱硫しきれなかった硫黄を完全に除去する“超高次脱硫技術”と、ナフサを改質する技術を応用した“高性能改質触媒”を採用し、硫黄による触媒劣化を防ぎ、長寿命化を可能にした。合わせて窒素を用いない起動停止方法を確立したことにより、LPGでも天然ガスと同様にPEFCに使用できるようになった。又天然ガスの改質装置と共通の仕様で製造できるため、改質装置の量産化によるコストダウンが可能になった。同社は実用段階で、年産十万台の生産規模になれば、製造コストは5〜6万円程度になると予想している。
(電気、日刊工業新聞、フジサンケイビジネスアイ04年5月13日)
(2)日本ガス協会
日本ガス協会は、パラジウム系合金薄膜による水素分離型改質方式を用いて、高純度水素を効率よく製造できるシステムを開発したと発表した。大きさはPSAに比べて1/3程度に小型化されており、容積は21.5m3、40m3/hの水素製造能力を持つ。運転試験で確認された初期性能は、製造効率は72%、水素の純度は99.999%以上であった。
(電気、日刊工業新聞04年5月14日、日経産業新聞5月24日、化学工業日報5月26日)
(3)京大
京都大学大学院工学研究科の江口教授、菊池助教授らの研究グループは、メタンだけでなくプロパンなど幅広い炭化水素系燃料から水素生成が可能なヘキサアルミネート触媒を開発した。高い熱安定性を示す層状化合物のヘキサアルミネート化合物で、結晶中のアルミニウムの1部をNiに置換して触媒に仕上げられている。活性金属であるNiを逆相マイクロエマルジョン法で均一に高分散させることにより、炭素析出が原因となる耐コーキング性なども改善されており、様々な炭化水素からの部分酸化反応に使用できる。焼成温度1,400℃での表面積は9.9m2/gで従来のアルキシド法に比べて1割程度広い。又アルキシド法では触媒活性が見られない350℃付近から触媒機能を発揮、400〜450℃でほぼ平衡転化率を達成した。
(化学工業日報04年5月24日)
産業技術総合研究所知能システム研究部門の松浦特別研究員、谷川主任研究員、小鍛冶副部門長らは、アルコールから水素貯蔵ポリマーを作る基礎技術を開発した。12.水素関連事業の展開
開発した技術は、陽極の表面にアルコール液を流し込み、対面にある陰極の針先から陽極に電子線を照射することによって、アルコールを構成する炭素と水素両原子の結合が壊され、アルコールの液面から生じる上昇流とともに水素イオンを含むポリマーが陰極上に生成されて付着するという内容である。26℃、湿度50%の大気中でアルコールにブタノールを用い、約800eVの電子線を照射したところ、幅20μm、長さ50μm、厚さ10μm程度のポリマーが陰極上に数秒で堆積したと報告されている。赤外線でポリマーを解析したところ、ブタノールを構成していた分子の結合が壊れ、不規則に結びついてブタノールと全く異なる化学構造となっていた。
水素をイオン化した状態で保存できるとともに、ポリマーに電気的刺激を与えるだけで水素を容易に取り出すことができる。実験ではポリマーに6V、50Hz程度の電気的刺激を与えるだけで水素を取り出すことができた。又ポリマーを構成するイオンは発火の危険がほとんどないので、FCV向けのみならず携帯機器用FCの水素貯蔵用にも適用可能であるものと期待される。
この成果は、04年4月29日付 ”Journal of Physical Chemistry” に掲載される。
(日刊工業新聞04年4月28日)
(1)東京ガスケミカルと昭和電工13.マイクロFC(MFC)およびDMFCの開発
東京ガスケミカルと昭和電工は、酸素・窒素(セパレートガス)、および水素ガスなどを中心とした工業ガスの販売を統合する新会社“TG昭和株式会社”の設立に合意、04年7月から営業を開始する。水素ガス事業では、水素事業トップシェアの昭和電工と、LNG改質による水素ガスオンサイト供給技術を持つ東京ガスケミカルの統合で、水素エネルギー分野において良好な補完関係を構築することができる。
(電波新聞04年4月29日)
(2)JARI
日本自動車研究所は、700気圧に達する高圧水素タンクの安全性試験を屋内で行うことのできる“FCV安全性評価試験棟”茨城県常北町に完成、5月11日に公開した。目玉の設備は、厚さ1.2mの鉄筋コンクリートの内壁に鉄板を張り付けた防爆火災試験ドームである。NEDOを通じて17億円を投じた。
(日経産業、日刊工業、日刊自動車新聞04年5月12日)
(3)加地テック
加地テックは既に水素を95MPaの気圧まで高密度圧縮する高圧水素圧縮装置を開発したが、今回従来の4段圧縮装置にもう1段の圧縮機構を設け、最大110MPaの高圧を実現した。潤滑油と非接触構造の空冷式のため、圧縮の際に水素に不純物が混入しない。水素の処理能力は200m3/h。水素スタンドでFCVが70MPaの水素ガスを充填するのに十分な能力を持っている。自動車研究所の“FCV安全性評価試験棟”に設置した。
(日刊工業新聞04年5月13日、日本経済、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ5月21日)
(4)豊田通商と東京ガス
豊田通商と東京ガスは、水素の供給事業で提携した。豊田通商は風力発電の電力、東京ガスは都市ガスを利用して水素を製造し、一般家庭や水素ステーションなどに供給するとともに、工業用原料としての水素市場に向けても販売する。04年度中にも青森県や関東地域の3箇所で事業化する計画である。
(日本経済新聞04年5月24日)
(5)ハイドロジェニックス
カナダのハイドロジェニックスは、2005年夏を目途に、駐車中のFCVを発電機として使用し、周辺地域に電力を供給する“ビークル・ツー・グリッド・ジェネレーション(V2G,系統連系自動車)の実証実験をカナダ国内の複数の箇所で開始する。特に電力インフラの整備が遅れている発展途上国で有効性が高いと考えている。しかし、技術開発のみならず、電力会社など幅広い業種との業務連携が不可欠となるため、ビジネス面での対策を含めて、実用化には10年程度はかかると見ている。同社は現在カナダ政府の助成事業としてFCバスを開発中で、05年夏にはトロントやバンクーバーなどの大都市で実証実験を開始、バスが運行しない夜間に電力供給を行う。
(電気新聞04年5月28日)
(1)カシオ14.FC関連計測技器の事業
カシオはノート型パソコン向けにメタノール改質型PEFCデバイスを開発した。工学院大学の五十嵐教授との共同開発である。電池本体は現在一般的なリチウムイオン電池とほぼ同じ大きさで、電気容量は4倍、改質器は500円玉の大きさで、本体は長さ約20cm、縦・横を数cmとなっている。通常のパソコンなら8ないし10時間無充電で駆動することができる。改質器を使うと高温になるのが課題であったが、ケースなどに工夫を加えることにより、この問題を解決した。2007年に発売を目指す。
(日本経済新聞04年5月10日)
(2)日立電線
日立電線は、携帯機器向けマイクロDMFCで、大きさを約半分、コストを大幅に抑えられる薄型チタン系セパレータ材を開発した。このセパレータを用いて名刺入れ大のDMFCを試作、出力20Wのノートパソコンを駆動するのに成功した。チタンは腐食に強くかつ黒鉛に比べて加工が容易であり、量産時にはコストを1/50ないし1/100にまで大幅に下げることができる。
(日本経済新聞04年5月18日、電気新聞、化学工業日報5月21日)
(3)市場予測
MFCは2012年までにノートPCの約15%に導入され、2012年の世界のMFC出荷数は1億2,000万個に達するとの予測を、アメリカ調査会社ABIリサーチが発表した。
(電波新聞04年5月20日)
(4)傳田アソシエイツとポリフェール
アメリカのDMFC用電解質膜メーカ”ポリフェール”は5月20日、日本での活動を開始するため、傳田アソシエイツとコンサルテイング契約を結んだと発表した。同社は1999年、SRIインターナショナルから独立して発足した会社で、MFCに特化したDMFC用炭化水素系膜の開発を推進中であり、連続式パイロット設備を用いて性能評価を行っている。フッ素系膜に比べて、メタノールのクロッスオーバーを1/3に低減、30%水溶液で安定かつ効率よく発電できる。
(電気、日刊工業新聞04年5月21日、日経産業新聞5月26日)
(1)テクノシステム
テクノシステム(大阪高槻市)は400℃以上の高温下で水素の吸蔵量を高精度で測定する”水素吸蔵量測定装置”を発売した。金沢大学自然計測応用センターの山田教授の協力を得て開発した技術で、磁気浮上させた容器を上方に置き、放出圧力を設定して計測するため、微量の漏れがあっても測定結果に影響がない。水素の吸蔵量や放出量はパソコン画面に表示される。圧力範囲は0〜2MPa(自動設定)、2〜3.5MPa(マニュアル設定)、測定の最小読み取りは0.1mg、10gまで測定可能、大きさは高さ900mm、幅300mm、奥行き470mm、重さ約50kg。価格は450万円、年間10台の販売を見込む。
(日刊工業新聞04年5月18日)
(2)ケミックス
ケミックス(相模原市)は、PEFCの電気特性を約40分で測定できる簡易型試験キットを開発した。電解質膜を挟んで性能を調べる手法であるが、組み立てや分解を簡単にして所用時間をそれぞれ5分弱、基本性能の評価は30分程度でできるので、1回の試験を約40分で終えることができる。
(日経産業新聞04年5月24日)
―― This edition is made up as of May 28, 2004 ――
・A POSTER COLUMN
東京臨海部に食品廃棄物を利用した日本最大級の発電所
食品廃棄物を利用した最大級の発電所が、東京臨海部で05年秋に稼動を始める。外食産業などから排出される膨大な生ごみの受け皿とする計画である。市川環境エンジニアリング(市川市)など3社が出資し、東京都大田区の城南島で04年4月から建設を開始した。微生物を使って残飯や売れ残りの弁当などからメタンガスを発生させ、エンジンやFCで発電する。生ごみの処理能力は110トン/日でそれによる発電量は2万4,000kWh/日、2,420所帯の電力を賄えると見積もられている。発電量の2/3は東京電力に売電し、残る1/3は当発電所で消費する。この方法であれば、10%程度の異物が混入していても、前もって仕分けすることなしに処理できるようである。
(朝日新聞04年5月2日)
近畿地区では“夢創造の会”が防災対応型エコ・ステーションを提案
近畿経済産業局の自主研究会“夢創造の会”(大阪市)は、風力、太陽光発電などの再生可能エネルギーに再生型FCを組み合わせた防災対応型エコ・ステーション・システムを考案した。環境・防災問題に関心の高い自治体などに対して、実用化に向けたテストシステムの建設や評価試験を働きかける。このエコシステムは公園や病院、商店街など公共の場所に設置、住民サービスの一環として補助電動機付自転車や電動車椅子、携帯電話、ノートパソコンなどの充電のために利用できるほか、災害時には通信機器や照明機器の電源として使われる。再生可能エネルギーによる発電量が余剰となったときには、水電解により水素を生成、発電量が不足したときには、PEFCの発電により電力を供給する。
(日刊工業新聞04年5月3日)
温暖化ガスの総排出量2002年度には再び増加
日本におけるCO2など温暖化ガスの総排出量(CO2換算)は2002年度には約13億3,100万トンとなり、前年度比で2.2%増加したことが、環境省の最新の調査で明らかになった。2001年度は前年比で減少したが、02年度は8月から原子力発電所の運転停止があったことが影響したと思われる。温暖化ガスの約9割を占めるCO2で排出量の分野別内訳を見ると、全体の約4割を占める産業部門が前年度比3.6%増、運輸部門が1.9%減、家庭部門では7.9%増となっている。しかし、京都議定書の基準年である1990年を基準にとると、産業部門が1.7%減少したものの、運輸および家庭部門がそれぞれ20.4%増および28.8%増となり、温暖化ガス排出量は日本全体で7.6%増えたことになる。日本が約束した6%削減を前提とすれば実に13%以上の隔たりがある計算になる。
(日本経済新聞04年5月15日)
自動車技術展が盛会
自動車技術会主催による自動車技術の国際展示会”自動車技術展 人とくるまのテクノロジー展2004”は、5月19日横浜パシフィコ横浜で21日までの予定で始まった。過去最多の296社が出展、FCVを含む環境やIT関連の新技術や製品が披露された。
(日経産業、日刊工業、電波新聞04年5月20日)
BMWの水素自動車が実用段階は、第6世代車で量産体制
BMWの水素自動車が実用化の段階に入り、現在開発している第6世代車は量産が前提である。又“水素自動車の時代”に向けて、水素直噴エンジン技術の開発も強化する。BMWリサーチ&テクノロジー社のレイモンド・フライマン社長はインタービューで「3年前に“FCV推進グループが、04年に水素インフラを欧州に配備すると発表したが、その後状況が変化し、この10年間は難しくなっている。FCVも水素自動車も燃料は水素、水素供給インフラを協力して整備していくことが必要である。BMWは水素自動車にもUTCFC製のPEFCとSOFCの2種類のFCを搭載してAPUとして使っていくが、SOFCはガソリン車にも搭載する」と語った。
(日刊工業新聞04年5月26日)