第111号 地方自治体による水素関連事業が活発化
Arranged by T. HOMMA
1.国家的開発機関による施策
2.国際標準の動き
3.地方自治体での施策
4.PEFC要素技術の開発と事業化
5.家庭および業務用PEFCシステムの開発活動と運転
6.可搬型PEFCの開発
7.FCV最前線
8.その他の移動体用FC動力
9.水素生成および改質技術の開発
10.マイクロDMFCの開発と事業化
11.マイクロFCの開発に関わる事業
12.FCおよび水素関連計測技術
・A POSTER COLUMN
1.国家的開発機関による施策
 NEDOは愛知万博で、生ごみをメタン発酵してFCに供給、このときに出る残渣を木くずと混ぜ合わせて発酵処理を行うことにより堆肥に変換し、それによって市場のそれに比べて遜色のないトマトを栽培することに成功した。(フジサンケイビジネスアイ05年7月14日) 
2.国際標準の動き
 IEC−TC105の次期国際議長に、このほど日立製作所の藤沢技師長が選出された。カナダから選出された現議長が8月で任期満了になるので、9月1日から同氏が就任する。(電気新聞05年6月27日、日刊工業新聞6月28日)
3.地方自治体での施策
(1)愛知県
 FCVの普及に向け、官民一体となって関連プロジェクトを推進する“あいちFCV普及促進協議会”が7月1日に発足した。愛知県や豊田市、常滑市、トヨタ自動車、東邦ガスなどの自動車・燃料供給メーカー担当者が参加し、FCV普及啓発や研究支援を進めていく。(日刊工業新聞05年6月29日、日経産業新聞6月30日、中日新聞05年7月2日)

(2)山口県
 山口県は周南市と共同で、国に水素特区構想“環境対応型コンビナート特区”を提案した。同県は周南コンビナート内の工場で発生する水素を家庭用FCにパイプラインで供給する“水素タウンモデル事業”を計画しいている。(日経産業新聞05年6月29日)

(3)広島県
 広島県は、地域新エネルギービジョン策定等事業(ごみエネルギー利用システム検討調査業務)およびFC等普及促進調査検討事業の2件の調査業務で企画コンペを実施する。現在、企画提案書の募集を行っている。2件の内、FC等普及促進調査検討業務は、水素燃料を利用したFCやFCVを始め、バイオマスを活用した水素製造技術など、県内事業者等が有する水素関連技術の普及を目的としている。具体的には、広島県地域新エネルギービジョンを踏まえたもので、県内事業者および大学、試験研究機関等の水素関連技術を普及させえるもの、バイオマス等から製造した水素の活用実証モデルを検討するものを選定する方針とし、05年11月初旬を目途に中間報告書を策定、06年1月末までに最終報告を行う。(日刊建設工業新聞05年7月20日)

(4)北海道
 北海道開発局は7月15日、04年度北海道開発計画調査の成果概要を公表した。熱利用技術を核とした水素社会構築モデル事業調査や雪氷冷熱エネルギー活用社会構築調査など6項目が挙げられている。特に水素社会構築モデル事業に関しては、札幌市(大都市型)と滝川市(地方都市型)をモデルとして、第1に地域特性に応じた水素・FCに関する導入推進施策や法規制、企業の取り組み状況等を調査・整理する、第2に水素エネルギー適応モデルの確立や産業展開方策の考察を行い、その結果を基に社会動向を踏まえた水素・FC関連産業等の発展・創出の可能性を検討した。(日刊建設工業新聞05年7月20日)

(5)姫路商工会議所
 姫路商工会議所は、会員企業23社で水素ビジネス研究会を設けた。水素関連産業進出へのヒントを参加企業に与える場とする。姫路市には水素の製造工場や液化天然ガスの基地があり、金属や電機、機械、化学などの有力企業の技術を融合させれば、水素に関連したビジネス創出が可能と判断した。(日刊工業新聞05年7月20日) 
4.PEFC要素技術の開発と事業化
(1)昭和電工
 昭和電工は08年を照準に、カーボン樹脂モールドセパレーターの市場開拓を進める。同社は20〜30μmの粒径で形状を最適化した黒鉛微粉を開発し、黒鉛の充填量を重量比で80%、体積比で70%にまで引き下げた。これを熱硬化性樹脂のポリブタジェンや熱可塑性樹脂のポリプロピレン(PP)とコンポジット化し、更にホウ素を加えて高導電性と機械的強度や耐久性の向上を両立させることに成功している。その結果重量は金属系の1/10、厚さは1.5mmを実現し、1枚当たり15秒の生産速度を実現した。既に技術面では一定の目途が得られていることから、一層の低コスト化を図るとともに、省スペース化に繋がる肉薄化も追及する。(化学工業日報05年7月15日)

(2)松下電産
 松下電器産業は、家庭用PEFCシステムにおいて、PEFC本体、改質器などのコンポーネントや運転システムなど、トータルなコストダウンに取り組んでいるが、この一環として空気極や燃料極それぞれに最適化された触媒材料、膜材料、ガス拡散層材料を用いるとともに、電極形成方法の工夫によって、電極触媒量を従来の1/3以下の0.1mg/cm2にまで下げることを実現した。又改質器などの燃料処理部でも改質触媒、変性触媒、選択酸化触媒などの特性を最適化し、貴金属触媒である酸化セリウムの使用量を5g以下まで低減することができた。要素機器についても、小型化、インバーターの一体化、排ガス熱交換器などの一体化を行う一方、循環流路の改良による低コスト貯湯用水ポンプや低コストセンシング回路などの採用によってコストダウンを図った。これによって、定格出力で発電効率32%、300W出力で26%、給湯効率では定格出力時49%、300W時36%を実現した他、起動時の消費電力を30%削減した。(化学工業日報05年7月19日)

(3)旭硝子
旭硝子は、PEFC用MEAの事業化に向けた活動を強化する。供給面では06年夏を目途に、これまでのパイロットプラントを大きく上回る規模でコマーシャル設備を建設する他、性能面では年内を目標に120℃、50%加湿の高温低加湿状態で連続運転4,000時間をクリアした膜を更に改良して試作品の決定版を開発する。(化学工業日報05年7月21日) 
5.家庭および業務用PEFCシステムの開発活動と運転
(1)出光興産
 出光興産は、灯油燃料の1kWPEFCシステムの2号機の運転を、中央研究所において6月29日に開始した。同システムの送電端発電効率は33%(LHV)で排熱を含めた総合効率は70%と発表されている。今後試験運転を通じて発電効率や排熱回収効率などの基本性能、起動時間の短縮、制御性や耐久性に関する課題の解決を図り、06年度から始まる国の大規模実証への参加を目指す。(化学工業日報05年7月1日、電気新聞7月4日、日経産業新聞7月8日)

(2)東京ガス
 東京ガスは7月1日、住宅の新築または増改築の際に“TES温水床暖房”と“FCコージェネレーションシステム“を採用する顧客を対象にした住宅ローン優遇で5行と連携したと発表した。東京ガスが供給する都市ガスを使う顧客であることが条件。(電気新聞05年7月4日)
 東京ガスは6月までに100台の家庭用FC“ライフェル”の設置に目途を得た。今年度の目標は200台である。設置を確保した100台は、自社製の都市ガス改質器をベースに、荏原バラードのPEFC本体と組み合わせた1kW級システム、および改質器とPEFCスタックの全てを開発した松下電器産業の1kW級システムである。(化学工業日報05年7月5日)
 東京ガスは、家庭用FCコージェネシステム“LIFUEL”の設置希望者を募集している。(電波、日刊建設工業新聞05年7月7日)
 東京ガスは3年先にPEFCシステムの起動停止回数を現在の2,000回から4,000回まで引き上げ、出力の下限を300W以下に引き下げるなど、システムの成熟度を高め、性能のレベルアップを図るとともに、4万時間以上の運転時間を実現することを目指す。(化学工業日報05年7月15日)

(3)MHIと新日石
 三菱重工業と新日本石油は6月27日、灯油使用の出力10kWPEFCシステムを広島ダイヤモンドホテルに設置し、フィールドテストを開始したと発表した。ホテルは24時間電力需要があり、又給湯需要が大きいのでPEFCの利用に適している。灯油は単価が安いものの炭素数が多いので、改質装置には高度な技術を要する。新日石が改質・触媒技術を、MHIがシステム(本体モジュール)の開発を担当した。同システムの発電効率は36%(LHV)で、総合効率は76%を目指している。06年度内での商品化が目標。(電気、日刊工業、中国新聞05年6月28日、化学工業日報6月29日)

(4)東芝  東芝は、家庭用PEFCの商用化に伴って、スタックを東芝FCシステムで製造するとともに、子会社の東芝ホームテックで最終組み立てを行う体制を整えた。改質器については1部を内製するが、基本的には外部調達とする。(化学工業日報05年7月22日)
6.可搬型PEFCの開発
 バンテック(栃木県那須塩原市)は、キュー・エム・ソフト社(福岡県)と共同で、小型・軽量で出力600Wの低圧式PEFCシステムを開発した。燃料の貯蔵には水素吸蔵合金を用いている。“携帯用背負子型アースセーバー”と“携帯用キャスター型アースセーバー”の2タイプであり、7月13日からモニター販売を開始した。重量は背負小型が26kg、キャスター型が48kg、価格は250万円で、非常時や災害用、トンネル工事、レジャーなどでの用途を想定している。(化学工業日報05年7月14日、鉄鋼新聞7月21日、電波新聞7月22日) 
7.FCV最前線
(1)ホンダ
 ホンダは6月24日、国交省から“ホンダZBA-ZC2”の型式認証を取得したFCV“FCX”を報道陣に公開した。最高時速は150km/h、航続距離は430km、水素は圧力35MPaで、156.6Lのタンクに貯蔵される。1台当たりの価格は現在では数億円とされるが、加美主席研究員は「2010年には1,000万円、20年には500万円にしたい。20年で一般に普及できなければ、技術としては滅亡していくだろう」との見解を披露した。(日刊自動車、東京、中日新聞05年6月25日)
 アメリカ・ホンダは6月29日、カリフォルニア州在住の市民に、FCV“FCX”をリース販売した。納車したのは、ジョン・スパリーノ氏とその家族で、月額500ドルで2年間リースし、通勤や娘の学校の送り迎えに使う。水素は同氏の自宅から近いホンダの研究所内で補給し、ユーザとしての意見を同社に報告する。(読売、朝日、日本経済、東京新聞05年6月30日、毎日、産経、日経産業、日刊工業、日刊自動車、中国新聞、フジサンケイビジネスアイ、河北新報7月1日)
 ホンダは“カリフォルニアFCパートナーシップ(CaFCP)から脱退する方向で検討を始めた。基盤的開発研究から実用化に向けた競争に突入する時代に備えて、独自の研究に資源を集中する。CaFCP参加企業は年間8万4,000ドルを拠出しなければならない。ホンダは「金額の問題ではなく、同パートナーシップは初期の目的を達したのではないか」と述べている。(日刊自動車新聞05年7月4日)
 ホンダはFC2輪車のリース販売を09年に始める考えを明らかにした。(読売、日刊自動車、東京、中国新聞、河北新報05年7月21日)

(2)ボルボ
 スウエーデン・ボルボグループは、車載電源用のFC開発に乗り出す。ボルボテクノロジーとノルウエーのSTATOILとの共同出資で専門会社を設立し、今後数年以内に市販モデル車への搭載を目指す。当面は大型トラックへの搭載を有力視しており、特にドライバーがエンジンをアイドリングさせたまま休憩や睡眠をとる慣習の有るアメリカ、日本などの市場に期待している。(日刊自動車新聞05年6月25日)

(3)出光興産
 出光興産が04年3月にホンダからリース購入したFCV“FCX”が、05年6月27日で走行距離2万kmを達成した。(化学工業日報05年7月4日)

(4)DCJ
 ダイムラー・クライスラー日本(DCJ)は7月4日、横浜市内に自動車の最新技術に関する開発拠点を開設したと発表した。車載端末を使って情報を双方向でやり取りするテレマテイクスやFC技術、衝突回避などドライバー支援システムについて、日本市場の動向に合わせた開発を進める。(日本経済、産経、日経産業新聞05年7月5日)

(5)JHFC
 JARIとENAAが実施しているJHFCは、7月30日と31日の両日、秋田県大潟村の“サンルーラル大潟エリア”でFCVのイベントを開催する。(フジサンケイビジネスアイ05年7月5日)
8.その他の移動体用FC動力
 スピーシーズ(東京)はFCを搭載した小型の2足歩行ロボット“スピーシーズFC”を開発した。全長50cm、重さ4.2kg、圧縮水素ガス16L入りの水素ボンベを首の部分に入れており、無線LANを通じてパソコンで操作する。FC動力については、腕の部分などにスタック5個を搭載しており、水素ボンベ1つで約1時間の運転が可能である。年間販売目標は10体。(日経産業新聞05年6月28日、朝日、日刊工業、中日、北海道新聞、フジサンケイビジネスアイ6月29日、中国新聞6月30日)
9.水素生成および改質技術の開発
 太陽石油と萩尾高圧容器、渦潮電機、愛媛大学はLPG用の新規高性能で小型の脱硫触媒を共同開発する。従来の含浸法に代替したスパッタリング法を用いて金属担持量を削減するとともに、比表面積を大幅に増大させた触媒を開発し、長寿命化と小型化を目指す。(化学工業日報05年7月21日)
10.マイクロDMFCの開発と事業化
(1)日立
 日立電線は日立製作所と共同で、DMFC用セパレーターの素材として実用性のある金属材料を開発した。ナノテクノロジーを応用して加工し、PEFC用セパレーターとして必要な寿命の確保を実現した。具体的には、メタノールによって腐食しにくいチタン系の材料でステンレスの表面を被覆し、その表面にナノサイズの貴金属粒子を付着させ、導電性と耐食性を高めている。これによりセパレーターの寿命は従来の金属材料に比べて5倍の3,000時間に達し、又量産時にはセパレーターの製造コストを1/50から1/100にまで下げることが可能と同社は語っている。(日経産業新聞05年6月30日)

(2)NTTドコモと富士通研究所
 NTTドコモと富士通研究所は、電力量を3倍に増やした第3世代携帯電話“FOMA”用DMFCを試作したと発表した。最長6時間の通話が可能で、内蔵したリチウムイオン電池を組み合わせれば、連続8時間の通話ができる。メタノール水溶液の濃度を従来の約30%から99%に大幅に高めることにより、電力量を増大させた。携帯を包み込む形状をした充電器にカートリッジ(燃料容積18cc)を組み込む方式で、携帯を充電器に接続して使用する。07年の実用化を目指す。(日本経済、電気、日経産業、日刊工業、電波、中日新聞、フジサンケイビジネスアイ、化学工業日報05年7月7日)
 KDDIは“ワイヤレスジャパン2005”において、携帯電話のリチウム2次電池(LiB)に充電するタイプの試作器、携帯電話内蔵型DMFCのモックアップを展示した。日立製作所、東芝とそれぞれ共同開発したものである。出力は約1W、日立製はカートリッジ式で、無補給継続時間は容量2mLで約1時間、同5mLで約5時間である。東芝製は内臓タンクに充填する方式で、タンク容量20mLで無補給継続時間は約20時間であり、LiB7個分に相当する。(化学工業日報05年7月21日)

(3)ケミックス
 ケミックス(相模原市)は。組み立てと分解が簡単な小型DMFCを開発した。サイズは幅、高さが4.6cm、奥行き3cm、濃度10%のメタノール溶液での出力は50mWである。FCの構造を理解するのに役立つと考えており、大学などの研究機関やFCの研究開発を行っている企業向けに売り込む。1台33,000円で、年間5000台の販売を目指す。(日経産業新聞05年7月14日)
11.マイクロFCの開発に関わる事業
 アメリカ・インテルなど大手PC関連メーカーが組織する標準化団体“モバイルPCエクステンデッド・バッテリー・ライフ・ワーキング・グループ(EBLWG)”は、ノートPC向けFCの標準化に関するガイドラインを発表した。同ガイドラインは、PC向けFCの電気、機械、制御、熱、環境、規制に関する分野を網羅しており、ACアダプターに替わる外付けFCなど新しい技術にも言及している。電力消費量が利用内容によってばらつきがあるノートPCに対し、FCの電力供給は一定のため、対応させる高度な技術が必要である。EBLWGのガイドラインは、消費者の要求に応えるFCを開発するためのあらゆる情報を提供しており、業界にとっての機動力になるといえる。(電波新聞05年6月28日)
12.FCおよび水素関連計測技術
 京都電子工業(京都市)は7月7日、FC埋め込み型メタノールセンサーの開発に成功したと発表した。アメリカのベンチャー企業ISSYS(インテグラテッド・センシング・システムズ)社と共同で、MEMS(微小電子機械システム)技術を使って開発した超小型センサーである。ノートパソコンや携帯型ビデオカメラなどの電源となるDMFCでの応用が期待される。このセンサーをメタノールが流れる配管に直接埋め込むことにより、外気温の変化や副生成物の影響を受けることなく、メタノールの濃度をリアルタイムに計測することができる。(日刊工業、京都新聞05年7月8日)


 ―― This edition is made up as of July 22, 2005 ――


・A POSTER COLUMN

電気8輪車“エリーカ”が公道を走る

 慶応義塾大学とエネサーブ、大和ハウス工業など約30社が共同開発した8輪の電気自動車“エリーカ”がナンバープレート“370”を取得し、7月5日に初めて慶応大学三田キャンパス周辺の公道を走行した。車体は全長約5m、幅約2mの銀色で5人乗り、カーブでの走行安定性を高めるために、前方に4つ、後方に4つのタイヤがついている。
 ガソリン車に比べてエネルギー消費が約1/4で効率が高く、更に高級スポーツカーを上回る加速性能を持つ。ナンバープレートの370は、最高時速370km/hを意味し、160km/hまで加速するのに要する時間は7秒、又搭載した最新のリチウムイオン電池は、約4分間の充電で約200kmの走行を可能にする。従来の電気自動車の欠点が克服されたと研究者は語っている。
 2008年にも約200台を受注生産する計画である。(日本経済新聞05年7月5日)  

ハイブリッド車の存在感高まる

 ハイブリッド車に対する市場拡大に向けた動きが活発になっている。トヨタ自動車がアメリカや中国で、日産自動車やホンダがアメリカで現地生産に乗り出す。又ホンダは新ハイブリッドシステムを開発、秋には新型シビックに投入する。ガソリン価格の高騰によって、燃費性に優れたハイブリッド車へのニーズが一段と高まると見られている。
 世界で35万台を売ったハイブリッド車“プリウス”、トヨタがハイブリッド車の開発に着手したのは1969年に遡る。その後トヨタの技術担当者達は「すごい革命を起こすかもしれない」とその可能性を信じ、30年以上の試行錯誤を経て低公害車の主役に育て上げた。
 トヨタは2004年にハイブリッド全車種で前年の2.6倍となる約13万4,000台を販売した。渡辺社長は「できるだけ早い時期に世界での販売台数を100万台規模にしたい。これから生産車種、投入地域を明確にしていく」と意欲を燃やしている。又ホンダについては、現行のシビック・ハイブリッドの04年での世界販売台数は、前年比18.5%増の28,424台であったが、新型システムの搭載で市場攻勢に弾みをつけていく。
 環境省の試算によれば、トヨタの“プリウス”とベース車“アリオン”の初期購入価格差は55万円。しかし、優遇税制を活用し5年間で5万kmを走行した場合、購入費と維持費を合わせた価格差は11万8,000円まで縮小する。今後ハイブリッドシステムの量産に拍車がかかれば、更に価格差は縮まると思われる。(フジサンケイビジネスアイ05年7月19日、読売新聞7月20日)