第126号 FCハイブリッド列車等新移動体が登場
Arranged by T. HOMMA
1.国家的施策
2.SOFC実証試験
3.PEFC要素技術の研究
4.家庭用PEFCの実証および事業展開
5.FCVおよびFC移動体開発の最前線
6.水素ステーション技術と設置
7.水素生成および精製技術の開発
8.水素貯蔵・輸送技術の開発
9.マイクロFCとその関連技術の開発
・A POSTER COLUMN
1.国家的施策
(1)次世代技術開発テーマの採択
 NEDOは06年度のPEFC戦略的技術開発/次世代技術開発テーマ9件の委託先を決めた。評価解析技術では産総研、兵庫県立大学、武蔵工大などの3件、要素技術では北大、東大などの2件、新規概念で上智大、大阪府大、産総研、名大などの4件となった。新規概念では、上智大が塩基性高分子電解質による中温無加湿PEFC、産総研はアンモニアボラン利用FCの開発に取り組む。(化学工業日報06年10月5日、電気、日刊工業新聞10月6日、電波新聞10月9日)

(2)水素金属貯蔵の先端基盤研究事業
 経済産業省・資源エネルギー庁は、FCV向け水素吸蔵貯蔵材料の先端基盤研究事業に着手する。現状では合金の吸蔵能力は2.2wt%であるがこれを6wt%に高めることを目標とし、これによりFCVの走行距離500kmを実現する。基礎研究レベルからの開発事業は、産総研を主体に5年間の計画で、国内研究機関を結集した柔軟なネットワークで集中的に実施することにし、07年度予算として8億円を要求した。又経産省が9月に研究協力で合意したアメリカ・ロスアラモス研究所の量子ビーム施設を水素貯蔵材料の構造解析に活用し、シミュレーション技術も利用して理想的な構造設計に取り組む。(電気新聞06年10月19日)
2.SOFC実証試験
(1)07年度からの実証計画
 経済産業省・資源エネルギー庁は、07年度からSOFCの実証研究をスタートさせる。実用化に向けては、作動温度が高いため材料劣化の問題に如何に対応するかや、実証データの蓄積が不十分な点が課題で、エネ庁は実証研究のため07年度10億円の予算を新規に要求した。1〜5kW規模の小型SOFCを30〜40台設置、実フィールドで稼動させる計画で、4年間を予定している。具体的にはNEDOがガス会社やエネルギー事業者に運転を委託し、取得したデータを評価、研究開発課題を抽出する。(電気新聞06年10月18日)

(2)フランス・サンゴバン
 フランスのサノゴバン社は、SOFCの事業化を目指すと発表した。迅速な製品開発を進めるため、ドイツの国立研究所でスタックについて豊富な経験を持つFZユーリッヒと戦略的事業提携協定を締結した。サンゴバン社は、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素など幅広くセラミックスを手がけており、その中でもジルコニア系の"Zirpro"はSOFC向け材料として期待されている。(化学工業日報06年10月23日、日刊建設工業新聞10月26日)
3.PEFC要素技術の研究
(1)アメリカ・ロスアラモス研
 アメリカ・ロスアラモス国立研究所の研究チームは、白金を使わないPEFC用空気極向けの触媒を開発した。この触媒はコバルト、炭素、高分子からできており、連続で100時間の使用に耐えることを確認した。(日経産業新聞06年10月11日)

(2)東京農工大
 東京農工大学の永井助教授らの研究グループは、白金ではなくて、モリブデンとニッケルを主原料に使うPEFC燃料電極用触媒を開発した。新触媒は、以下のような手順で作られる。1) モリブデン酸アンモニウムと硝酸ニッケルを水溶液中で混ぜて乾燥させ、その後に焼成して酸化物を作る。2) 酸化物を石英製の反応器に入れて550〜800℃で加熱しながら、メタンと水素を吹き込んで炭化する。3) 炭化物を溶媒中で炭素と混ぜる、である。この触媒を燃料極に使い、空気極には通常の白金触媒を使ったPEFC単セルを試作して性能を調べた結果、水素を水素イオンと電子に分解する性能を示す活性度は、白金触媒のそれに比べて10%程度であった。しかし、白金触媒は高価なため、これを使うことによりコストは大幅に低下すると期待される。(日経産業新聞06年10月23日)
4.家庭用PEFCの実証および事業展開
(1)東芝FCシステム
 東芝FCシステムは、大阪ガスと共同で開発してきた住宅用PEFCシステムを08年度から市場導入する。一戸建て住宅用の700W級PEFCを08年度に発売し、初年度1,000台以上2000台近い台数の販売を目指す計画で、販売価格は120万円程度を目標に現在は製造コストを低減する技術開発を進めている。同一機種で都市ガスとLPGを燃料として使用でき、発電効率は都市ガスでは35%、LPGでは33%と予想していいる。出力を700Wにした理由について、同社はFCの導入によって電力・ガスの使用量をどれだけ減らせるかを検討した結果、700〜800Wにおいて一番効率が高かったためと述べている。
 他方、集合住宅向けに小型化した500W級についても、大阪ガスと共同で開発に取り組んでおり、06年度下期には大ガスの実験集合住宅"ネクスト21"に8台を納入、共同で実証試験を行い、10年度には一戸建てと集合住宅向けの両タイプをラインナップする予定である。集合住宅の一角に集中改質装置を設置し、都市ガスなどから精製した水素を配管によって各戸に配送する方式で、PEFC本体は小型化され、各戸の玄関付近にある配置スペースにすっぽりとはまる大きさになる。 (電気新聞06年10月16日)

(2)ダイニチ工業
 ダイニチ工業(新潟市)は10月18日、新日本石油などが商品化した灯油式家庭用PEFC"ENEOS ECOBOY"のための加熱装置を同社と共同開発したと発表した。この装置は今月製造分のPEFCから搭載されている。ダイニチが開発した加熱装置(バーナー)は燃料として灯油と水素の両方が使えるのが特徴で、点火時は装置内の灯油を使う。しかし発生した水素全てを発電に使わないため、余った水素を加熱用装置の燃料に切り替えることにより外部に放出するのを防ぐ。(新潟日報06年10月19日、日刊工業新聞10月20日、電波新聞10月24日)

(3)三井住友建設
 三井住友建設は住宅の電力を効率的に制御できるシステムを丸紅や日本総合研究所など7社と共同開発した。FCを設置した住居10戸以上を電気配線でつないでネットワーク化、各住居の電力需要を専用ソフトで予測し、余剰電力を融通し合って電気代を節約する。ソフトは各ネットワークを管理する"センター制御ソフト"とネットワーク内の各住居の電力需給を制御する"個別制御ソフト"で構成される。センター制御ソフトで毎日1回翌日の発電計画を計算、当日は前日に決めた需給計画を電力消費の実態に合わせて10分毎に補正し、FCの運転を最適化する。各住居の電力使用量の多寡に基づいてネットワーク内で電力を融通し合い、余った場合には自動的に蓄電する。計算では4人家族の平均的な世帯で電気代を年間5万円以上削減できる。07年中にも実証試験を始め、08年度末までに事業化を目指す。(日経産業新聞06年10月24日)

(4)新日石
 新日本石油は、東京デイズニーランド(TDL)を運営するオリエンタルランドと契約し、TDLの中央救護室にLPガス仕様1kW級PEFC"ENEOS ECO LP-1"を設置することを決定した。(化学工業日報06年10月26日)
5.FCVおよびFC移動体開発の最前線
(1)ホンダ
 ホンダは、現在官庁などにリース販売しているFCVを全面改良し、08年から日本とアメリカで発売する。新型車はFCスタックの重量を30%低減、効率を10%向上させることにより、1回の水素補充で可能な走行距離を30%延ばして570kmにした他、最高速度も従来車に比べて10km/h速い160km/hとした。更に水素や水を縦方向に流す方式を採用することにより、従来車種に比べて室内空間が広くなっている。個人客の利用も想定しており、現状月80万円のリース料金も引き下げる。新型車の名称は"FCXコンセプト"である。又ホンダはアメリカ・カリフォルニア州の規制をクリアした"次世代型デイーゼルエンジンを報道陣に公開した。エンジンの触媒内でアンモニアを生成することにより、NOxの排出量を大幅に削減することに成功した。(朝日、毎日、日本経済、日経産業、日刊工業、日刊自動車、東京新聞、フジサンケイビジネスアイ06年9月25日、産経、日刊工業新聞9月26日)

(2)スズキ
 スズキは9月26日、DMFCを動力源とする電動車いす"MIO(ミオ)"を開発したと発表した。メタノール水溶液4Lで40km以上走行できる。07年から実証試験を始め、09年を目途に販売する計画である。(産経、日経産業、電気、日刊工業、日刊自動車、静岡、東京、中国新聞、フジサンケイビジネスアイ06年9月27日)

(3)鉄道総合技術研究所
 鉄道総合技術研究所は9月29日、東京国分寺の施設でFCによる電車の試験走行を公開した。床上にFCシステム、床下に水素タンクを搭載している。(日本経済、東京新聞06年9月30日、日経産業、日刊工業新聞10月2日、化学工業日報10月3日)

(4)JR東日本は10月19日、FCとリチウム電池によるハイブリッドFC車を横浜市の東急車輛製造横浜製作所で公開した。床下に出力65kWのFC2台(計130kW)と270Lの水素タンクを設置、屋根上に最大300kWのリチウムイオン電池を搭載している。1回の水素充填で50〜100km走行できる。最高時速は100km/h、加速は最新型の通勤電車並と話している。(毎日、日本経済、電気、日経産業、神奈川、東京新聞、フジサンケイビジネスアイ、河北新報06年10月20日、産経新聞10月22日)

(5)大阪科学技術センター等
 大阪科学技術センターと栗本鉄工所、岩谷産業は、FC車椅子などFC小型移動体のモニター試験を10月から大阪で開始した。JARIとENAAによるJHFCプロジェクトで、実証試験の対象は、FCで駆動する車椅子、カート(何れも栗本鉄工所の開発)、電動アッシスト自転車(岩谷産業)の3商品、車椅子では背もたれの裏側に小型水素ボンベを挿入、リチウム電池を併用することにより、時速6km/hで連続10時間の走行が可能である。FC車椅子およびカートのモニター実証試験は、それぞれ大阪障害者職業能力開発校(大阪府堺市)、および大阪府庁などで行う。(フジサンケイビジネスアイ06年10月3日、日刊工業新聞10月4日、日刊自動車新聞10月13日、毎日新聞10月18日)

(6)三菱自動車
 三菱自動車は10月4日、FCVの開発を断念し、EVとデイーゼルエンジン車に開発を集中することを決めた。(日刊工業新聞06年10月5日)

(7)ゼロスポーツ
 ゼロスポーツ(岐阜県各務原市)は10月18日、同社が市販する原付4輪規格のEV"エレクシードRS"にPEFCを搭載した車両を開発した。FCは独自設計による2系列で2.4kWを達成、航続距離150kmを実現した。又独自のソフトウエア制御でFCに最適な走行モードを選択するシステムを搭載する他、各部位のガス圧や温度を集中管理するデジタルパネルを設置している。安全対策には微小水ポンプを採用、水循環システムによってスタック内温度を一定に保つ他、ガスライン各部に設置した圧力センサーで自動制御を行っており、異常発生時は安全機能が作動するようになっている。(化学工業日報06年10月19日、日刊工業新聞10月20日、日刊自動車新聞10月26日)

(8)ヤマハ発動機
 ヤマハ発動機は10月19日、水素を燃料とした125ccクラスのFCハイブリッド型2輪車"FC-AQEL"を10月23日に横浜で開幕する"EVS22"で披露すると発表した。独自開発のヤマハ水素FCシステム、2次電池、そして燃料として35MPaの高圧水素タンク2本を搭載している。(日刊工業、日刊自動車、中日新聞、フジサンケイビジネスアイ06年10月20日、化学工業日報10月23日)
6.水素ステーション技術と設置
(1)日本製鋼所
 日本製鋼所広島製作所が開発した国内最大能力を持つ圧縮機を備えた水素ステーションが、中部国際空港島に設置された。FCバスに燃料の水素を供給、2010年まで稼動する。圧縮機は水素の圧力を400気圧まで高め、100m3/hの流速で水素をバスのタンクに送り込むことができる。圧縮方式はステンレス製の円形膜を変形させるダイヤフラム方式を採用した。同広島製作所は01年から水素圧縮機の開発を開始、企業などに計20基を納入したが、現在ピストン方式の開発に取り組んでいる。(中国新聞06年9月26日、27日)

(2)出光興産
 出光興産は10月10日、千葉県市原市内にFCV用水素ステーションを建設すると発表した。同社は04年4月に神奈川県の秦野市内に水素ステーションを建設して2年間運用してきたが、これを市原市に移設する。新ステーションでは、水蒸気を改質して水素を製造、連続充填能力は乗用車5台、バス1台となる。現在、水素はFCVに供給する以外に消費がないため、設備の長時間運転は困難な状況にあるが、新設備では製造した水素を改質器の燃料として消費できるように工夫することにより連続運転を可能にした。市原市のそれは、ガソリンスタンドを併設した水素供給施設であり、その面積は726m2となる。06年12月から09年3月にかけて安全対策の妥当性検証を中心に安全技術研究を行う。(日経産業新聞、化学工業日報06年10月11日、電気新聞10月12日、フジサンケイビジネスアイ10月14日)
7.水素生成および精製技術の開発
(1)エア・ウオーター
 エア・ウオーターは乾京都大学名誉教授が確立した次世代水素発生触媒を活用した事業に本格進出する新プロジェクトを立ち上げた。新触媒はニッケル−酸化セリウム−白金−ロジウムの4元触媒で、長さが短くなるほど反応性が高まる特殊な機能を有し、大きさは一般の触媒に比べて1/50程度にまで小さくできる。又内部燃焼による酸化反応で改質を行い、吸熱と酸化発熱の両反応を1つの触媒でこなすことができる。したがって、外部加熱炉が不要となり、水素発生装置の小型化が可能で、更に改質反応温度を300℃まで下げることができるので、装置の起動時間を大幅に短縮することも可能になると述べている。同社は乾教授との共同研究で、新たに特殊な担体などを開発し、02年に新触媒を使ったLPガス改質装置を完成、06年には水素改質の超小型プラントの実用化に成功している。今後"VHシリーズ"として商品化し、中小工場向けなどでの普及を目指す。(化学工業日報06年10月3日)

(2)千代田化工建設
 千代田化工建設は、高効率水素製造および輸送技術の実用化を加速する。ナフサや天然ガスを高温低酸素の空気で燃焼させることによって効率よく水素を製造する高温空気燃焼制御(HiCOT)リフォーマー技術の実証を06年度末までに終え、来期以降には商用プラント規模での実証を実施する予定である。HiCOTは800℃を超える高温空気を用いることにより、酸素が希薄な状態でも燃焼状態を維持できる技術で、これを用いた改質プロセスは、従来の水蒸気改質に比べて消費エネルギーやNOx排出量ともに30%以上の削減が可能になる。 又常温常圧で水素を貯蔵・輸送するケミカルハイドライド技術の開発にも取り組んでいる。これはメチルシクロヘキサンを水素キャリアとして用いるもので、常温常圧下で機能し、水素を受け渡すとトルエンとなってサイクルチェーンに戻る。困難であった脱水素触媒についても良好な性能評価を得ており、工業化レベルに必要な性能確認を進めることにしている。(化学工業日報06年10月13日)
8.水素貯蔵・輸送技術の開発
 シェル・ハイドロジェン・BVは、シンガポールの技術開発機関であるICESと4年間、水素貯蔵に関する共同研究を実施していくことで合意したことを明らかにした。ICESの研究陣は、水素の貯蔵、放出を効率的に行うための物質として有望視されている窒化リチウムをベースに、添加剤などを含めた研究開発を進める。このプロジェクトを通じて、ICESとシェルは、貯蔵能力を限定している問題点を解決するとともに、水素サイクルの温度を実用的なレベルに引き下げることを目指している。(化学工業日報06年10月17日)
9.マイクロFCとその関連技術の開発
(1)ニッタ・ムアー等
 ニッタ・ムアー(大阪市)は、電流を流すと伸縮・振動する圧電素子を利用した小型ポンプを発売する。大きさは14mm角で1円玉よりも小さく、小型FCやパソコンの水冷用などに使えば機器のコンパクト化に役立つ。圧電素子は電流の周波数や電圧によって伸縮の仕方が変化するのでポンプの微小流量調整が可能で、最小50nL/minの精度で調整が可能と述べている。圧電ポンプはドイツのバルテルス・ミクロテヒニックス社が開発したもので、ニッタ・ムアーはそれに自社製の細管チューブ、継ぎ手を組み合わせて発売する。価格は当初2万円前後の見通し。(日経産業新聞06年10月16日)

(2)日立
 日立製作所はDMFCを搭載したユニバーサル電源の試作品を公開した。セパレータを必要としない平面配列のパッシブ型で、日立マクセルの触媒と日立化成の炭化水素系電解質膜を採用、水とメタノールの透過を抑制している。この電源はちょうつがい部分に燃料タンクが配置されている。燃料の供給は別の容器からの注入式で、注入口は東海との共同開発によるものであり、注入口が合致しなければ燃料を供給できない構造になっている。 ちょうつがい部分にはUSBコネクターを内臓、USB対応の機器であればケーブル接続によって充電することができる。2010年頃の実用化を目指している。(化学工業日報06年10月17日)

 ―― This edition is made up as of October 27, 2006――

・A POSTER COLUMN

マイクログリッドシステムの事業化計画
 明電舎は、マイクログリッドシステムビジネスで本格事業化に乗り出した。風力や太陽光、バイオガスなど小規模で不安定な新エネルギーを活用した分散電源を、高品質な電力として安定供給を実現しようとするもので、需給制御システムや電気2重層キャパシターなど要素技術を相次ぎ開発した。これを機に、社会システム事業本部内に専任部隊を組織、約15名を投入して事業体制を整えた。
 最近、風力発電や太陽光発電に加えてバイオマスエネルギーなどの発電量が増大しており、既存電力網への影響が無視できなくなりつつある。これを受けて電力品質の維持のほか、電力卸売りやCO2排出権など事業環境の変化から、同システムのニーズは高まっている。明電舎では、これまで蓄積してきた電力技術を応用し、相次ぎ開発してきたキーコンポーネンツビジネスとの相乗効果を出しながら、ソリューション事業に乗り出す計画である。
 中核となる需給制御システムは、清水建設と共同開発したもので、需要予測や自然エネルギーの出力予測から作成した運転計画制御と負荷追従制御をコアに構築した。これに電力貯蔵技術やパワーエレクトロニクス技術を活用した系統連携装置などキーコンポーネントを組み合わせる。電力貯蔵には、急峻な変動を吸収する電気2重キャパシターやNaS電池の他、ニッケル水素電池(ギガセル)やSOFCなどが含まれる。又ガスエンジンやマイクロガスタービンなど既存発電装置も組み合わせて、ソリューション提案を推進していく。 (化学工業日報06年9月29日)

ハイブリッド車の国内集荷状況
 日本自動車工業会が9月29日に発表した05年度のハイブリッド車の集荷台数は、前年度比7.9%減の61,263台で、前年度割れは02年度以来のことである。トヨタの出荷台数が主力の小型車"プリウス"の販売減で、8,000台以上減少したのが主因と見られている。トヨタは「現在のプリウスは03年発売なので、新車効果が薄れてきた」としており、ハイブリッド車の人気が落ちたわけではないというのが自工会の見方である。
 他方ホンダは前年度の462台から3,704台に大幅に増加し、いすずは0から142台になった。 (中日、中国新聞06年9月30日、日刊工業新聞10月2日、日刊自動車新聞10月3日)

次世代電気自動車の開発に三菱自動車と電力5社が参加
 三菱自動車は10月11日、走行可能距離を飛躍的に高めた次世代電気自動車の開発に向けて東京、中国、関西、九州、北陸電力など電力5社と共同研究を始めると発表した。軽自動車"i(アイ)"をベースにした研究用車両"i MiEV(ミーブ)"を同日公開した。ミーブは高性能リチウムイオン電池や小型高効率モーターを搭載しており、今後急速充電(25分)1回で走行可能な距離を160kmにまで延長することを目指す。06年11月以降電力5社に同車両数十台を提供し、共同で走行データの収集・分析などを行い、2010年までの市販化を目指す。販売価格は150万〜200万円を想定している。(毎日、日刊工業新聞、フジサンケイビジネスアイ06年10月12日)

希少金属の代替材料開発のロードマップ作成
 経済産業省は07年3月末までに、希少金属の代替材料の開発技術について2020〜30年を見据えたロードマップを作成、これを07年度に開始予定の希少金属代替材料開発プロジェクトに連動して活用する。11月にもNEDOとワーキンググループを設置、将来の技術開発の動向を推測しながら、いつまでにどのような金属・材料を使って代替技術の開発を進めればいいかをまとめる。対象となる希少金属は、インジウム、デイスプロシウム、タングステンの3種類。希少金属は中国への依存度が高い。(日刊工業新聞06年10月17日)