広がる燃料電池の世界


1.省エネルギー・環境負荷の低減

水素と酸素の電気化学的反応によって直接発電を行う燃料電池には、高い発電効率が得られるます、また環境有害物質の放出もほとんどないという特徴があります。 発電に伴って発生する熱を効率よく有効利用するコージェネレーションができます。これによって省エネルギー、二酸化炭素の削減、有害物質の放出抑制に大きな効果をもたらします。

2.さまざまな利用分野

数万kWの大規模発電設備としてだけではなく、集合住宅、オフィスビル、病院等での数百kW級コージェネレーション、さらに百kW級の乗用車やバスの駆動用電源、数kW級のコンビニ用電源、数百W級の家庭用や数十W級の電子機器用電源等、幅広い範囲での出力規模とさまざまな利用分野が広がっています。

3.多様な水素源

燃料電池に供給する水素は、都市ガスやLPG、灯油などの化石燃料だけでなく、生ゴミや廃木材、下水処理場の汚泥やビール工場の排水の処理などによるバイオガスなど非化石の燃料源からも幅広く取り出すことができ、燃料の多様化や未利用エネルギーの活用、廃棄物からの環境放出ガスの低減にも寄与します。

4.進む開発・実用化

現在の燃料電池システムは、1960年代に宇宙開発における宇宙船の電源として初めて実用化され、その後の民生用の開発がアメリカ、日本、ヨーロッパなどで国家的なプロジェクトとして進められました。最近では業務用、家庭用については商用化のレベルに達し、自動車用については公道試験モデルによる実地走行試験が行われています。さらにパソコン、携帯電話などモバイル機器の分野への開発も進められています。